イギリスの田舎(推定)を舞台に世界の危機と子どもたちの成長と妖精界の復活を描いた話。 あー、適当に要約するとどこにでもありそうな話に聞こえてしまう(泣) それだけの話じゃないんだからね。絶対読むように!!
ジャンルはファンタジー系超正統派児童文学。っていうかイギリス児童文学です。
マジマジ。
初夏に引っ越してきたアレクとターシャの兄妹は始めはギクシャクとしたものの
すぐ新しい町と子供達に溶け込みます。町全体で収穫祭への期待に胸が高まっていく一方
町はずれの森に住み着いたとされる浮浪者についての不穏な噂も町に流れています。
そんなときおこった神隠し事件に町中が大騒ぎする中、子供達は夢から現れた(?)
異形の妖精達とともにキケロの魔女アスパバールに対して自分たちの未来をかけ、戦いを挑むのでした。
くー、アレク兄ちゃんええよな〜。裸同然のラミアーに一つ年上のウィルや
"眼鏡くん"(笑)のジョエルまでが顔を赤らめるなか平気な顔で
お話しちゃうくらい純粋であるかと思えば、
アスパバール戦では誰よりも大活躍。
そうそう、バトルはスタンド戦です(笑)
ジョエルといえばこの子も大好き。
図書館の主で本に夢中になると回りの音が聞こえなくなるなんて
ついつい感情移入して読んじゃうキャラだよね。>ALL 強いし。
別にキャラ萌えな読み方した訳じゃないけれど、子供達がそれぞれに魅力的でした。
お隣(って結構遠い…)のロッケンローラーのお姉ちゃんとかね。
世界の破滅を願ってアスパバールの側についたキトだけに限らず、
それぞれが抱えているシリアスな悩みも読みどころです。
シリアスといえば○○のエピソードとユニコーンの使い方!!
シ、シリアス過ぎます。彼女の強さには勇気付けられます。
もし私が対象年齢のときに読んだら読み取れなかった部分でしょう。
何年後かに読んで驚いたことでしょうね。
この子達には大人になるってのもそう怖い事じゃないんだよ。
と言ってあげたいです。
妖精界の大御所キャラクターが所々でてくるのは完璧に ファンタジーファンへのサービスでしょう。ツボ押されっぱなしですね。 (はぁ〜、女王〜♪) 牧場のお姉さんの呪い(まじない)に対する考え方なんかもツボ。 船井先生はきっちりと基本をがご存知でらっしゃいます!!(って偉そうかも…) 一生ついていきます!!
めちゃめちゃ悲しくっても苦しくっても最後には悪い奴は滅ぶし、未来にも希望を持つことが出来るし、 男の子も女の子も格好良く且つ可愛い。安心して読めます。 ご一読を。
その他
児童文学的には挿絵がまったくないってのはどうなんだろう?
想像力を鍛えろってことかな?
私は頭の中で藤田和日郎の絵を挿入して楽しんだのですが、
皆さんはどうでしたか。マンガに毒されてるかなぁ。私
未だわからないのがアレクのフルネーム。アレックス?アレクセイ? 学がないからわかないです。情報求む。
しかし作者の船井香って日本人離れしてると思いませんか? 我々日本の児童文学ファンは全世界に誇っても良いと思います。マジな話。 翻訳して逆輸入されたら全世界中の児童文学ファンが驚くのでは? カナダでチャールズ・デ・リントが泣いて悔しがったりとかさ。
ちょっと書きすぎたかな?でもアスパバールの正体と目的についてさえ触れなければネタバレにはならないでしょう。しかしもの凄い話ですね。